2013/04/05

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2010/11/20

Philippine English: Linguistic and Literary Perspectives

仕事が忙しく、久しぶりの更新となる。今学期は特に、大学院入学希望者を対象とした英語講座を4科目担当し、自らも博士課程前期相当の科目を1科目履修している。その他にもかなり骨の折れる仕事がいくつかあり、ほぼ死んでいる。

とりわけ、22名を相手にライティングというのはきつい。さすがにこうなると毎回書かせるわけにはいかない。前半はパラグラフ・ライティング、後半はエッセイ・ライティングと、一度に22本を添削するというのは、本気で取り組もうとすればそれだけでフルタイムに近い仕事になる。不本意ながら、いきおい、どの科目も適当に流さざるを得なくなる。

そんな中、野暮用で出かけた地元の書店に興味深い本を見つけたので、居ても立ってもいられずご紹介している次第だ。Hong Kong University Pressから出ている"Asian Englishes Today"というシリーズのフィリピン英語の巻で、シリーズの編者はKingsley Bolton、Professor of English Linguistics, Stockholm University, Honorary Professor, The University of Hong Kongとある。

既に、香港の英語(Hong Kong English: Autonomy and Creativity (Ed. Kingsley Bolton))、日本の英語(Japanese English: Language and Culture Contact (James Stanlaw))、中国の英語(China's English: A History of English in Chinese Education (Bob Adamson))、アジア英語(Asian Englishes: Beyond the Canon (Braj B. Kachru))、アジアの文脈における世界の英語(World Englishes in Asian Contexts (Yamuna Kachru and Cecil L. Nelson))の各巻が出ている。Braj & Yamuna Kachruの両氏は、言わずと知れた、世界の英語研究の第一人者だ。

今回ご紹介するフィリピン英語の巻はシリーズ編者Boltonと、デ・ラ・サール大学(マニラ)の名誉教授Ma. Lourdes S. Bautistaの両氏による編。amazon.co.jpのページでは目次が見られないようなので、書誌情報と「社会言語学的文脈」「言語形式」「フィリピン英語による文学」の3部からなる所収論文は次の通り。

 

 

Bautista, Ma. Lourdes S., and Kingsley Bolton (ed.). Philippine English: Linguistic and Literary Perspective. Asian Englishes Today, series ed. Kingsley Bolton. Hong Kong: Hong Kong University Press, 2008. Reprint. Metro Manila: Anvil Publishing, 2009.

Series editor's preface
Acknowledgements
List of Contributors
Map of the Philippines

Introduction

Philippine English: Linguistic and literary perspectives (Kingsley Bolton and Ma. Lourdes S. Bautista)

Part I: The Socio Linguistic Context

1. A favorable climate and soil: A transplanted language and literature (Andrew Gonzalez, FSC)

2. English in Philippine education: Solution or problem? (Allan B. I. Bernardo)

3. English-language media in the Philippines: Description and research (Danilo T. Dayag)

4. World Englishes or worlds of English? Pitfalls of a postcolonial discourse in Philippine English (T. Ruanni F. Tupas)

5. 'When I was a child I spake as a child': Reflecting on the limits of a nationalist language policy (D. V. S. Manarpaac)

6. Taglish, or the phantom power of the lingua franca (Vicente L. Rafael)

Part II: Linguistic Forms

7. Linguistic diversity and English in the Philippines (Curtis D. McFarland)

8. A lectal description of the phonological features of Philippine English (Ma. Lourdes G. Tayao)

9. Lexicography and the description of Philippine English vocabulary (Kingsley Bolton and Susan Butler)

10. Investigating the grammatical features of Philippine English (Ma. Lourdes S. Bautista)

11. English in Philippine call centers and BPO operations: Issues, opportunities, and research (Jane Lockwood, Gail Forrey, and Helen Price)

Part III: Philippine English Literature

12. Colonial education and the shaping of Philippine literature in English (Isabel Pefianco Martin)

13. Negotiating language: Postcolonialism and nationalism in Philippine literature in English (Lily Rose Tope)

14. 'This scene so fair': Filipino English poetry, 1905-2005 (Gémino H. Abod)

15. The Philippine short story in English: An overview (Cristina Pantoja Hidalgo)

16. The Filipino novel in English (Caroline S. Hau)

17. Filipino diasporic literature (Alfred A Yuson)

18. In conversation: Cebuano writer on Philippine literature and English (Simeon Dumdum, Timothy Mo, and Resil Mojares)

Part IV: Resources

19. Bibliographical resources for researching English in the Philippines (Ma. Lourdes S. Bautista)

Index

 

フィリピンは、アジアでも有数の英語使用国ながら、近年はタガログ語教育の強調により、若年層を中心に英語力は低下の一途をたどっているように見受けられる。そのような中で、フィリピン英語がどのような変化を見せているのか、この最新の論集には、いろいろと教えられること、気づかされることがありそうだ。2学期が終わったら、少しゆっくりと読み込んで、こちらのブログにも何かご紹介できればと思っている。

また、わずか3か月とはいえ、デ・ラ・サール大学(マニラ)教育学部応用言語学科にお世話になった者としては、特に新進気鋭のDayag先生のお名前を拝見するのは懐かしい思いだ。残念ながらBautista先生とはお話しする機会は無かった。なお、故Andrew Gonzalez神父(FSC=Father of the Sacred Church)は、同大学とフィリピンが誇る言語学者で、こちらも、お会いしてお話を伺いたかったフィリピン人の一人だ。

まずは、今学期、最後まで生き延びなければ……

  

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2010/06/14

日本は恵まれてる - 地球の田舎の語学教師のぼやき

大学院入学希望者の英語講座を担当するようになり、参考になりそうな教材をいろいろと取り寄せては吟味している。海外にいるとつくづく、日本は語学教材王国だと思う。日本で大手書店に行けば、語学教材・参考書コーナーがかなりの一角を占めており、1日いても飽きない。日本語で書かれたものは、ご存じのように至れり尽くせり、かゆいところまで手の届くほど細分化が進んでいる。さもなくば、私が先日、購入した、『フランス語でつづる私の毎日 』(杉山利恵子著、三修社)など、コンセプトからしてあり得ない。

海外でも、日本の大手書店の支店があるような都市ならば、それこそ洋書の同様のコーナーも併設してあって天国なのだろうが、私のいるフィリピンではせいぜい、首都マニラのモール・オブ・エイジア(アジア一の売場面積を誇る)にあるNational BookstoreやFully-Bookedなどが、小ましな品揃えの書店としてなんとか検討に耐え得るほどだ。そこでも当然、日本語で書かれたものは無い。そもそも、国内で「超一流」とされる大学の図書館にして見るに耐えられず、時折、マニラで開催される国際ブックフェアなる催しにして、見るべきものはほとんど無い。事実、ある大学院の応用言語学の博士課程に入ってみたことがあったが、この分野の図書館の蔵書が私個人の蔵書よりも貧弱で、文字通り、涙したことがある。

フィリピンでは、一部の富裕階層、知識階層を除いて、読書の習慣はほとんど無い。義務教育の教科書も、学校で借りて、学年が終われば返却する。道端で果物を売っている少女が、たまにタガログ語版のハーレクインロマンスを開いてまどろんでいるくらいのものだ。安価な新聞は読者が多いので、どうしても高価になりがちな書籍を買う経済的余裕が少ないことが大きいのだろう。キリスト教の出版宣教団体などは、アメリカで定価2,000-3,000円するものを500-600円ほどの地域限定価格で売っているが、それとて平均月収が10,000-20,000円ほどの庶民には、なかなか手が出るものではない。

社会が伝統的な口頭文化に留まっていることも大きい。無料で配布される聖書とて、習慣的に読む人はほぼいない。教会に熱心に通ってくる人々でも、自分で読むよりも、誰かが教えてくれるのを耳で聴くほうを好む人が多い。自分で読んで学ぶという作業は、実は多分に文化依存的な行為であり、日本人が思うほど当然なものではないのだ。なるほど、図書館が貧困でも「学問」が成立してしまう文化的ダイナミクスがそこにはある。それは、同じ「学問」でも、先行研究の精査からしか始められない西洋由来のものとは定義が大いに異なる。文化人類学の領域だ。

ちなみに、私の所属する大学院の図書館(蔵書約60,000)は、業界(キリスト教研究)では東南アジアで一、二を争うものだそうだが、なにぶん専門図書館でもあり、語学の教科書となると、いきおい古典ギリシア語、ヘブライ語にまでさかのぼってしまう。ラテン語のものすらろくに無い。ラテン語講座でも開こうものなら、私の蔵書からひとしきり貸し出さなくてはならないことだろう。プロテスタントだからというのは言い訳にならないはずだが、英語さえできれば、翻訳も含め、業界の90%近くの文献はアクセス可能だというこの時代、悲しいかな、独・仏などの「主要」外国語を学ぶ価値すら相対化されてきているのかもしれない。この辺りは、複数の言語を学ぶことを愛する者として、しかし教師としては英語教師として、二律背反的な思いがしないでもない。

話がすっかり横道にそれてしまった。そういうわけで、図書館もあまり役に立たず、ふらりと日本の語学教材・参考書を立ち読みに行ける書店も無く、英語で書かれたものすら決して十分に書店に並ぶことのない、地球の田舎で務めている語学教師としては、これからも、インターネットを頼りにいろいろと取り寄せてみるしかない。予算も限られているので厳しい限りだが、これはと思うものに出会うこともある。機会をあらためてご紹介していきたい。まずはただ、紀伊国屋、三省堂、ジュンク堂、リブロなど、再び「巡礼」の旅に出られる日を心待ちにしている。考えるだけで涙が出てくる。

 

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2010/06/10

Pimsleur Language Program - Haitian Creole Comprehensive 新発売!

日本でも徐々に利用者の増えているピンズラー・ランゲージ・プログラムの本家英語版に、このたび新ラインナップ"Haitian Creole, Comprehensive"(ハイチ語・レベル1)が加わることが、販売元Simon and Schuster社からのメールで発表されている(6月22日発売・当面はアメリカ合衆国内への発送に限られるということだが、"preorder"(予約)は可能なようだ)。

ハイチ語(ハイチ・クレオール)とは、平易に言えば、フランス語が現地風にアレンジされ、現地の人々の間で世代を超えて定着してきているものを指す。同社からのメールにもあるが、ハイチはご存じのように、大震災からの息の長い復興努力が続けられている国であり、ハイチ語は庶民の言語として欠かせない。

ちなみに、こちらのページでは無料のサンプルレッスンも聴ける。ハイチ語については既に"Basic"、"Conversational"と呼ばれるコースも販売されているが、これは「レベル1」(30課)の前半部分、各10課、16課を先行販売しているものであり、それらをお持ちの方には、内容的に重複することになる。また、"Compact"という、同じく10課からなるコースもあるが、こちらは独立した内容になっているようだ。

なお、ハイチ語がフランス語を元にしたものであり、フランス語も公用語として用いられているということは、庶民の間でも、程度の差はあれ、一定のフランス語は通じるということだろう。新発売のハイチ語は版元の同社から定価で買うしかないが、フランス語のピンズラー、しかも英語版ならば、レベル4(正式には"Plus"と呼ばれる)(100課分)まで出ており、中古で購入が可能だ。UsedPimsleurPimsleur Marketplaceなどでかなりの安価で購入できるうえに、学習終了時には$100で下取りもしてもらえる。

 

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2010/01/01

今年もよろしくお願いいたします

Naimbag a baro a tawen kadatayo amin!

新しい年になりました。皆さんはどのような新年をお迎えでしょうか。日本で、あるいはその他の国々で楽しい新年をお迎えの方もおありでしょうし、旧年中に愛する方を亡くし、静かな新年をお迎えの方もおありでしょう。2010年という年が、皆さんにとってさらに豊かな年となりますよう、フィリピン・北ルソンの田舎よりお祈り申し上げます。

本ブログも、どこまでもマイペースな更新で、なかなか皆さんのお役に立てる情報はお届けできていないことでしょうが、今年1月からは新たに英語講座の担当も始まりますし、クラスの様子、学習中の言語や言語学にまつわるこぼれ話などを、姉妹ブログ「イロカノ語ネット」とともにお届けできればと願っています。今年もご愛顧いただけますよう、なにとぞよろしくお願いいたします。

Benditionannakayo ni Apo Dios!

 

Img_0163
北ルソンのイロカノ語では"tukag"と呼ばれるカエル。
カンカナウィ語では"bakbak"と呼ばれ、おどろおどろしさが増す。

 

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«イゴロット族の伝統的英語観