« 謹賀新年 - ある神学者の旅立ち | トップページ | Questiaに登録してみた »

2009年1月 9日 (金)

第3学期、始まる

アジア太平洋神学校(Asia Pacific Theological Seminary:APTS)(フィリピン共和国バギオ市)では、今日から2008-9年度の第3学期が始まった。

午前のチャペルでは、学長のウェイン・ケーグル師(Dr. Wayne Cagle)から「違いを生み出す者になる」という説教が語られたが、その中の例話の一つに、チャールズ・ウェスレー、ジョン・ウェスレーが幼少時、ウェスレー家が火事になったという話があった。近所の人々が救出してくれたことで、母親と子供たちは九死に一生を得たのだそうだ。

多くの賛美歌で知られるチャールズ、後に救世軍、ホーリネス運動、ペンテコスタリズムにさえも広がっていくことになるメソディズム(メソジスト運動:Methodism)を始めるジョンの兄弟が世界を大きく変える者たちとなったのは言うまでもないことだが、勇敢にも火の中に飛び込んでいって彼らを救った近所の人々、おそらくは農夫たちで、読み書きさえできたかどうかわからない名も無き彼らもまた、世界を大きく変える者たちとなったのではないか、私たちも、有名な者になることはないかもしれないが、それでも、神学校で学び、教える者として召された特権にへりくだり、違いを生み出す者、世界を変える者となっていこうではないか、という言葉が印象的だった。

ところで、今学期、私は、教師訓練の一環として、"Applied Missionary Cultural Anthropology"(直訳すると「応用宣教文化人類学」?)、"History of Missions"(宣教史)の2科目を履修することになっており、両者とも今日が最初の授業だった。

文化人類学を担当するのは、タイとラオスで20年近く宣教師として働いてきたサム・バウドゥイン師(Rev. Sam Bowdoin)。バイオラ大学(Biola University)のD.Miss候補生だ(D.Missは宣教学博士)。教科書に指定されたのは次の3冊。

Hiebert, Anthropological Insights for Missionaries

Lingenfelter, Agents of Transformation: A Guide for Effective Cross-Cultural Ministry

Kraft, Anthropology for Christian Witness

宣教史を担当するのは、学監のポール・ルイス師(Dr. Paul Lewis)。ベイラー大学(Baylor University)のPh.D(組織神学)で、アジアのキリスト教禁教国での経験が10年近くある。教科書は次の2冊。

Neill, A History of Christian Missions. Rev. ed. Owen Chadwick

Tucker, From Jerusalem to Irian Jaya: A Biographical History  of Christian Missions. 2d ed.

どちらも、教科書だけで1,100ページほどになっているので、期末レポートなどを書いていくと、それぞれ1,500近くは読むことになるだろう。アニミズムのレポート2本もあるし、3月末までは厳しい日々が続きそうだ。どの教科書も、それぞれの分野で定番的なものばかりであり、アメリカでは学部レベルで読まされていて当然とも言えるものだ。がんばろ。

この他、今学期の目玉的科目としては、元学長エベレット・マッキンニー師(Rev. Everette McKinney)の"Signs and Wonders in Missions"(宣教におけるしるしと不思議)、メルビン・ジョンソン師(Rev. Melvin Johnson)の"Marriage and Family Counseling"(結婚・家庭カウンセリング)と"Expository Preaching"(釈義説教)、ロリ・デラ・クルス師(Dr. Roli dela Cruz)の"Patristic and Medieval Theology"(教父・中世神学)などが挙げられる。

マッキンニー師は、ラテンアメリカや東欧を含む世界中の聖書学校・神学校で教鞭を執っている人で、その見聞の広さは傾聴に価する。前回いらした際にも、どこかの国での宣教師一家の凄惨な迫害体験とそこからの回復と癒しの証しを伺って、言葉にならなかった。

ジョンソン師は、サンフランシスコで30年以上の牧会経験のある牧師で、まさにいぶし銀の人格者。カリフォルニア州に登録されたカウンセラーでもある。毎年、第3学期の期間は奥様とキャンパスに滞在してくださり、素晴らしい影響を与えてくださる。日本びいきで、毎年、滞在のたびに一度は我が家にもお招きして、食事を囲んで楽しいひとときを持つ。

デラ・クルス師は、イギリスのバーミンガム大学(University of Birmingham)で、新約聖書の本文批評でPh.Dを取得した、とてもできる人。今回の教父・中世神学は、担当科目としては新しいチャレンジだが、逆に初めて担当する科目なので変に気合いを入れられるとかえってコワい、というのが学生たちのもっぱらの噂だ。ギリシア語は当然として、ラテン語の文献などからもごりごりと講義を進めそうで、自分が忙しくなければコワいもの見たさに潜りたい気もするほどだ。

 

こんな感じで始まる第3学期。今月は27-30日の日程で定例のウィリアム・メンズィーズ特別講義週間が開催され、今年は新約学者のクレイグ・キーナー氏(Dr. Craig Keener)が講師として来てくださる。精神も感情も信仰も実践も、豊かな学期となることを祈りつつ。

 

にほんブログ村 哲学・思想ブログ キリスト教へ
(クリックで応援していただけると励まされます)

|

« 謹賀新年 - ある神学者の旅立ち | トップページ | Questiaに登録してみた »

04a 宣教学」カテゴリの記事

20 アジア太平洋神学校情報」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/24691/43684019

この記事へのトラックバック一覧です: 第3学期、始まる:

« 謹賀新年 - ある神学者の旅立ち | トップページ | Questiaに登録してみた »