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2010/09/06

ユダは払わね?

昨日、ナギリアンロードを走る機会があり、ようやく先日のバス事故の現場がわかった。バギオ市からならサブラン町に入って間もない厳しい右カーブで、そこだけ深く切り込んだ谷になっている。他の右カーブは道路下に少し家や畑があり、それはそれで危険だが、万一ダイブしても何らかのクッションにはなり、42名もの犠牲者を出すことはなかったはずだ。あらためて山道の怖さを思った。

また、時が経つにつれて、犠牲者の中に知人の家族や近しい人々があったことが伝わってきた。2週間が経ってもバス会社から遺族には訪問も一時金も無いという。保険会社から支払われたのは、犠牲者には65,000ペソ、負傷者には12,500ペソという。これがフィリピンでの命の値段というわけだ。フィリピン国内での移動にはこのようなリスクがつきまとうことも、知っておく必要がある。

 

さて、在比の皆様には既におなじみの、下の写真のような文言。そのままの"God knows Judas not Pay."では、英語としては非文法的(神はご存じだ、ユダ、払わね)だが、これは"J"を"H"で読むというスペイン流がわかれば"God knows who does not pay."(神は誰が払わないかご存じだ)のもじりであることがわかる。"Judas"(ジューダス)を「フーダス」と読むわけだ。知識だけは英語にうるさい日本人なら"Does"は「ダズ」と濁って読みたいところだが、綴りにできるだけ忠実に読もうとするフィリピン英語では、"does"はあくまで「ダス」なのだ(さすがに「ドエス」とは読まない)。

ジューダス(和名:ユダ)というのはイエス・キリストの十二弟子の一人。銀貨30枚でイエスを裏切り、その結果、イエスは逮捕され、十字架につけられるところとなった。その悪者キャラ感が、「金、払わね」というネガティブな要素と結びついたのだろう。これは、ユダがおそらくは弟子集団の金庫番をしていた(ヨハネの福音書13章29節)ということとも関係はあるかもしれない。

実際は、ユダはイエスを裏切ったことを後悔して、もらった銀貨30枚を大祭司に叩きつけて返却、首を吊って自殺したが(マタイ27:5)、大祭司たちはその金で土地を買って外国人の墓にしたという(マタイ27:6-8)。当時のユダヤでは外国人は差別されていたので、血に汚れた金はその程度の用途でちょうどよかったというわけだ。なお、新約聖書の別の記述によれば、その土地を買ったのはユダ本人で、首を吊ったのもその土地でだという(使徒の働き1:18)。

いずれにせよ、神はご存じだ。ジプニーのお金はちゃんと払うようにしよう。お釣りがきっちり帰ってくるのも、観光客には物珍しい、楽しい旅の風景だ。

 

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