« ユダは払わね? | トップページ | PhD Program in Baguio (5) »

2010/09/18

PhD Program in Baguio (4)

30時間の教習は、仕事が忙しく、こなすのがなかなか大変だったが、なんとか修了することができた。1時間目は学校のオフィスのあるSMバギオの地下2階駐車場で、エンジンのかけ方、1速での半クラから発進の仕方、バックの仕方など、基本を教わった。ところが2時間目からは外だ。SMバギオの近くにある市民会館までは教官が運転してくださり、そこの駐車場でやはり、前に転がし、後ろに転がしを練習した。

ところが、その帰り、そこからSMバギオの駐車場までは公道を走らされた。この時のことは記憶から欠落している。教官によれば、セッションのてっぺんのロータリー、SMの人通りの絶えない横断歩道、駐車場の料金ブース前のハンプ(スピードを落とさせるため、道路を横断する形で一筋、路面を高くしてあるもの)という3点セットで、予定通り、もれなくエンストをしたそうだ。

その後は、徐々にサウス・ドライブ、ミリタリー・カットオフ、ルアカン・ロード、ケノン・ロード、旧マルコス・ハイウェイ、ラ・トリニダード、アンブックラオ・ロードなど、教習の範囲が広がっていった。朝の8時台の教習の時など、渋滞のボニファシオロードで、あの狭い道を対向車線の車が追い越しでこちらの路線に次々に逆走してくるやら、渋滞のセッションロード登りなどで、前後の車間距離がほぼ無い中での坂道発進やら、とにかくエンストを限りなく繰り返しながら実地で鍛えられたと言っても過言ではない。

最後の3時間は豪雨と濃霧のマルコス・ハイウェイ半往復と、これまたバギオでの教習としては象徴的な体験をすることができた。30時間というのはマニュアルのみだったので、さらに5時間、オートマ教習を追加し、この時は、試験会場となる陸運局のあるパンガスィナン州ウルダニータまでの往復となった。おかげで、オートマながら、ケノンロードの「峠道」攻略?とマッカーサーハイウェイの低地ぶん回しの追い越し練習もすることができた。

A1-Drivingの教官は、誰も決してフィリピン人ドライバーとは思えない、きわめて、きわめて安全運転指向の教官ばかりで驚かされた。私のほうが逆に、10年間のフィリピン生活で、ジプニー、タクシー、バスなど、公共交通機関の乱暴な運転に体が慣らされており、知らず知らずにそういう運転になってしまうのだ。何度エンストしても、どこでエンストしても絶対に怒らない、嫌な顔一つ見せない、本当に忍耐強い教官ばかりで、新しいフィリピンを見せてもらったような気がする。そういう教官たちなので、教習生の私にではなく、周りのドライバーたちのことばかり嘆いていた。確かに、フィリピン人の多くがこのA1で教習を受けるようになれば、この国の交通事情も大きく変わることだろう。

フィリピンのドライバーたちは、運転は荒いし、待てない人が多い(何がヤだって、横断歩道で歩行者が横断している間に一時停止しているのを右側車線(日本的感覚で言えば左側)にわざわざ出てまで抜かれるのがイヤ)。ただ、クラクションこそ鳴らすものの、少なくともバギオに限っては、怒鳴ったりにらんだりする人が無いのは紳士的だ。日本のように全国一律の教習所・運転文化に裏づけられた一定の水準や常識というものが無いためか、誰もが初心者、誰もが素人的な共通認識があるようで、互いの異なる運転スタイルを尊重したり、下手なドライバーには思いやりや配慮を見せることも多い。

さて、教官たちはまた、基本はタガログ語を好むが、外国人の私には精一杯の英語で丁寧に応対してくださった。メインの教官など、自分はタガログだが、バギオ校の責任者ということでイロカノ語にも興味があり、私のほうが、教習中にイロカノ語を教えてあげながらのドライブとなることも多く、それも一興で楽しかった。

A1-Drivingのスタッフもまた、若いが丁寧なよくできた女性だった。時折、学校の都合での教習スケジュールの変更を、こちらの都合を尋ねることなく一方的に通知してきたり、こちらからの携帯メールでの重要な問い合わせには返事が無かったり、そこはフィリピンのカスタマーサービスならではの、どうしようもなく三流で「なってない」こともあったが、それ以外はまずまず、気持ち良く教習期間を過ごすことができた。

教習車もカローラ・アルティスの新しいもので快適だった。いくらか足せばさらに高級な車での教習もできるようだ。A1-Driving、この国の相場的には最高級クラスの自動車学校だが、30時間26,000円程度なら、在比日本人の方には十分にお勧めできる。次回はいよいよ陸運局での試験の様子をご報告する。

 

Img_1546
ケノン・ロードのライオンズクラブのライオン像まで行った時のもの。
この人がメインの教官。ユーモアたっぷりの面白い先生だった。

 

Img_1541
教習車近影。スマートなデザインだが、右手の、原子力発電所のような
黒と黄色のマークがどことなく怖い。

 

|

« ユダは払わね? | トップページ | PhD Program in Baguio (5) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/24691/49483090

この記事へのトラックバック一覧です: PhD Program in Baguio (4):

« ユダは払わね? | トップページ | PhD Program in Baguio (5) »