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2009/10/17

北ルソンで400名以上の犠牲者

既にNHKなどのメディアでも報道されているように、先日、ご報告いたしました台風17号による被害は、友人一家に悲劇をもたらしたのみならず、むしろ、それを多くの悲劇に先立つに過ぎないものとしてしまった。北ルソンだけで400名近くの犠牲者、先の台風16号によるマニラ首都圏周辺による被害を加えると600名以上の犠牲者を出し、30万人以上が被災生活をやむなくされている。

友人一家の埋葬式のあった8日(木)から数日間、3回目の上陸を果たした台風17号により、ルソン島北部は2,000ミリとも言われる暴風雨に見舞われ、電話やインターネットも不通となった。とりわけ、バギオ市の隣町にあたるラ・トリニダード郡では、大規模な土砂崩れなどにより、100名以上が犠牲となった。

最も大きな被害に遭ったのは、プギスという地域のリトル・キブガンと呼ばれる集落で、8日夜の10時30分頃に山が突然崩落、停電と暴風雨の暗闇の中で30戸以上が生き埋めとなった。70名以上の人々が亡くなり、今も遺体の捜索が続いている。この地域には、キリスト教の宣教師である私の所属団体と同じ団体に所属する教会があるが、この教会に連なる人々(教会員とその家族・親族)では、40名近くが犠牲となった。

私がようやく訪問できた12日(月)でも、3家族13名のご遺体が安置され、日本の通夜にあたる前夜式(ただし、フィリピンでは何日か行う)が進行しており、私自身も14日(水)の夜には一家族の前夜式で説教の奉仕に与ってきた。15日(木)の午前中にはさらに一遺体が見つかった。35歳の女性で、赤ちゃんの捜索はまだ続いている。

不幸中の幸いとしてプギス教会の建物には被害が無かったことから、この教会がこの地域の救援センターの一つとなり、当座の救援活動が続いている。中には、100kmの距離にあるマンカヤン郡から、幹線道路のハルセマ・ハイウェイは寸断されているにもかかわらず、50kgの米を届けに来たクリスチャンもあった。寸断された交通機関を乗り継ぎ、土砂崩れで道路が封鎖されている箇所は何時間も歩いての旅だ。マンカヤンもかなりの被害を受けたにもかかわらず、プギス教会の地域がひどい目にあったと聞いて、やむにやまれず、駆けつけてきたのだ。

私もまずは、派遣先のキリスト教指導者養成学校(神学校)で委ねられている、地域社会での学生の奉仕活動をコーディネートする部門を通じ、上司であるアメリカ人宣教師と連日のように救援物資を届け、仲間たちの慰めと励ましに務めている。地域の被災家庭のために炊き出しをするためのトレイや食器、下着、紙オムツを届け、さらなる支援を継続するとともに、とりあえずの掘っ立て小屋のようなものでも整備されてくれば、プロパンガスやコンロ、調理器具なども提供していくことにしている。教会がささやかでも地域の人々に支援の手を広げることができているならば幸いなことだ。

リトル・キブガンとプギス教会の様子については、神学校での報告用に少しビデオクリップを作成したものと、それを日本の所属団体の教会に向けて日本語化したものとをアップロードしてしている。キリスト教内部の報告資料であり、被災地との一時的な接触はどうしても教会の人々を通じてになるので、当然ながら、教会外の皆さんがご覧になると、偏っていたり、キリスト教独特の表現や専門用語、不備が見られるかもしれませんが、その点、ご寛容にお含みおきいただけるようでしたら、こちらよりご覧ください。

なお、一般のNGOの立場でご支援なさっている団体としては、私もお世話になっている反町真理子さんご主宰の「Cordillera Green Network」がある。リトル・キブガンその他の場所の様子については、こちらにも詳細なご報告がありますので、併せてご覧ください。

幹線道路のハルセマ・ハイウェイは、明日の午後には復旧すると言われており、私もこの日曜日にはバギオから80km、ブギアス郡アバタン町にある教会の礼拝の説教に招かれている。通常は2時間半のところ、果たしてどのくらいでたどり着けるものか心配だが、アバタンまで行けばバギオで得られない情報も得られることかもしれない。皆さんにまた、何かお分かちできる情報があればと願っている。

日本の何人かの方々からは救援物資を送る旨のご照会をいくつかいただいている。しかし、マニラ首都圏が依然として洪水の被害と格闘する中にあり、マニラ-バギオ間も、パンガスィナン州を中心に、ダムの放流による洪水で交通網が不安定になっている。また、これからクリスマスに向けて世界中の出稼ぎ労働者からプレゼントが殺到し、平時でさえ2月くらいまで郵便・宅配便システムが機能不全に陥る季節になるとあっては、物資をお送りいただいても無事に、あるいは迅速にバギオまで届くかどうかは疑問だ。まずは、ワールドビジョンや反町さんのNGOを通してなど、現金でのご支援をいただき、刻々と変わるこちらの現場でのニーズに応える形での救援活動を支えていただけましたら幸いです。

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