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2009/10/27

被災地3箇所(ビデオクリップつき)

台風20号は、見事に台湾、沖縄、日本列島を避けて進んでいるようで、小笠原諸島や伊豆諸島の方々にはお気の毒なことですが、まずは無事をお祈りしています。


前回はベッケルの友人一家の被災地のビデオクリップをご紹介したが、今回は先日の400kmの旅で訪問した、あるいは通った、いくつかの被災地のビデオクリップをご紹介してみたい。

最初のクリップのアバタンは、既に写真でもご紹介したが、ベンゲット州ブギアス郡アバタン町(Abatan, Buguias, Benguet)。バギオ市からは80kmの地点にあり、南のバギオ市、ラ・トリニダード郡、東に下るとブギアス郡の農業地帯(広い畑作地帯が広がっている)、西に下るとベンゲット州マンカヤン郡(Mankayan, Benguet)、イロコスール州セルバンテス郡(Cervantes, Ilocos Sur)、北に進むとマウンテン・プロビンス州の州都ボントック郡(Bontoc, Mountain Province)をつなぐ交通の要衝となっている。ブギアス郡の郡都?はアバタンの南東にある中央ブギアス町だが、ハルセマ・ハイウェイが完全に舗装され、交通の便が格段に良くなった今では、その地位をすっかりアバタンに奪われてしまった形だ。

このアバタンで、ハルセマ・ハイウェイからマンカヤンに下るマンカヤン・ロードが分かれて下り始めたところ、地元では「シャープ・カーブ」(Sharp Curb)と呼ばれる急カーブの地点で大規模な地滑りが起こった。ちょうど、ハルセマ・ハイウェイに面しているパブリック・マーケット(公設市場)の裏の地点にあたる。私の親しい友人の義理のご両親を含む28名が亡くなった。

次のクリップは、ハルセマ・ハイウェイの28km付近と18km付近の様子を撮したもの。本来の道路は地盤が流され、ちょうどチョコレートに覆われたクランチアイスクリームのチョコレート相当の部分が断片的に残っていると言えばいいだろうか。友人の撮った写真なので撮影場所は違うかもしれないが、次のような様子だ。

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このような箇所は、言うまでもなく危険で使えないので、山側を深く削る形で臨時の一車線を開通させ、当面の復旧としたわけだ。私の場合は、それぞれ待ち時間30分ほどで済んだが、「コルディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」の反町さんは、さらなる復旧工事のために6時間も待たされたという。

最後のクリップはベンゲット州ラ・トリニダード郡のブヤガン町(Buyagan, La Trinidad, Benguet)。私の親友の奥さんの親戚を含む9名が亡くなった。この地域は、上から一気に崩れたというよりは、下の家から崩れ、徐々に一軒、一軒、持ちこたえられなくなって崩れていったということ。5軒が全壊、さらに5軒が半壊というが、半壊の家も、住み続けるのは難しい、実質的に全壊相当のものが多い。

ここでは、スィーグフレッド・ンゴロバン(Siegfred Ngoloban)、リチャード・バルスダン(Richard Balusdan)という2人の消防士が、4歳の少年と40歳の女性を救出する中で殉職した。また、レックス・マン-オイという、郡災害対策委員会の委員も亡くなっている。ラ・トリニダード郡では明日、追悼式典が持たれ、彼らの表彰式もなされる予定になっている。

他にも、ベンゲット州トゥブライ郡(Tubulay, Benguet)で救援作業に従事していた人によれば、バケツリレーの要領で崩壊した家から子供を助け出していた際に、下の人から子供を受け取り、上の人に渡し、下の人のほうに向き直ると、既に下の人は流されていなくなっていたのだという。

あるいは、先日の新聞に、川の下流で半身が泥から突き出す形で発見された人の記事があった。既に腐敗がかなり進んでおり、村では1日待って照会がなければ、村で埋葬するという記事だった。車では行けない村で、地元の幹線道路からは2-3時間の距離だということだったが、反町さんのCGNでも力を入れて支援しているアトック郡パスドン村(Pasdong, Atok, Benguet)の人の可能性が指摘されていたので心配していたのだが、最新のCGNのブログ記事によれば、パスドン村のリーダーのお一人で、最後まで人々の救援に当たっていた方だということだった。謹んで、ご遺族と村の方々、関係者の皆様にお悔やみを申し上げます。

ブヤガン町は、80名の犠牲者を出したプギス町と同じく、山の斜面に沿ってある。ラ・トリニダード郡の中での位置は次の通り。

La_trinidad_02

今朝の新聞記事によれば、コルディリエラ行政区(Cordillera Administrative Region: CAR)で被災した家庭は87,700家庭、被災者は424,888名に上るという。あらためて、支援活動は長期間に及びそうだ。

マリアナ沖では新しい台風が生まれており、現時点の予報では、今週の土曜日頃に中央ルソンのヌエバ・エスィーハ州からパンパンガ州を抜けるという。マニラ首都圏と北ルソンの両方に大雨をもたらしそうな、嫌なルートだ。

 

 

 

 

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久しぶりに顔を見せてくれたベンゲット州東部のウグ山。
晴れ間はもちろん嬉しいものだが、今さらの晴れ間も正直、恨めしい。

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