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2009/09/09

コボイコボイも「近代化」とともに - フィリピン最新トイレ事情

このブログでも何度か触れている北ルソンの「コボイコボイ」という人々。英語の"cowboy"から来ている概念で、女性は「コゴルコゴル」(<"cowgirl")と呼ばれる。農業も交通も厳しいコルディリエラ山地で、質素な生活様式で柔軟かつ忍耐強く生きている人々を指す。

ある奥地の山村を訪問した時のこと。片言の現地語を話し、出される食べ物を喜び、あてがわれた板張りの寝床で熟睡する私にこの名誉ある称号が与えられた。しかし、翌朝、その村人たちが怪訝な表情を見せる。「あ~、コボイコボイにはまだまだだね」

彼らの視線の先にあるのは、寝ぼけまなこで朝のCR(トイレ:フィリピンでは"confort room"と呼ぶ)に向かう私の手からだらしなくぶらさがるSMバギオのビニール袋。中にあるティッシュペーパーを目ざとく見つけたのだ。コボイコボイは拭き取らない。洗うのだ。日本流に拭き取る行為は、山地・低地を問わず、フィリピン人の感覚には「塗り広げる」に等しい。

もちろん、洗う水が無い場合は、コボイコボイも拭き取る。しかしティッシュなどという金のかかるものは持ち歩かない。手頃な石、木の葉を使うのだ。女性の場合、小用ならおもむろに下着を上げるだけだ。下着が布なのになぜ拭き取る必要があるのかというわけだ。もっとも、最近は、コボイコボイ・コゴルコゴルたちも、旅の供にはティッシュを持ち歩く人が多い。数年前はティッシュの入手そのものが難しかった山の店でも、1ロールいくらで手に入るようになった。

不潔の代名詞とも言えた駅のトイレにまで「ウォシュレット」が見られるようになりつつある日本は、逆にフィリピンの感覚に近づきつつあるかもしれない。私も、フィリピンに来て以来、長いホースを引いてまで洗うようになった。新しい家に引っ越してそれができなくなってからは、どうも気持ち悪くて落ち着かない。多くのフィリピン人のように、全部脱いで大胆にバシャバシャと洗えばいいのだが、そこまではどうも面倒だ。

何を清潔と感じるかも文化の違いだ。「拭き取る文化」が発展する「洗う」フィリピンと「洗う文化」が発展する「拭き取る」日本。今後もそれぞれ、ニーズに応じ、絶妙なバランスを保ちつつ「近代化」は進んでいくことだろう。ティッシュは使えば無くなる。奥地の山村ではティッシュはまだまだ手に入らない。私にとっては石や木の葉を使いこなせるようになることも「近代化」の一歩だ。伝統的なコボイコボイと認めてもらえる日は来るのだろうか。

 

p.s. バギオの町中の公衆トイレに写真のようなものを見つけた。バシャバシャ以上「ウォシュレット」未満としてはありがたい設備だ。ホームセンターなどで手に入るらしい。

 

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設備はこれだけ。ちなみにフィリピンのトイレに便座はほぼ無い。
あっても、小の時に上げるという社会教育は無いので、常に濡れている。

 

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ノズルの表面はこんな感じ。手前の黒いボタンがスイッチ。

 

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水流はこれぐらいの強さ。調整はできないようで好みは分かれる。
YouTubeにはビデオクリップをアップロードしておいた。

 

 

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