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2008/12/03

進歩する北ルソンの道路・交通事情

マニラからバギオまでの旅は、エイジアン・スピリット(Asian Sprit)社の航空路線が同社のゼスト(Zest)社への身売りを機に廃止されたとはいえ、デラックス便を含むビクトリー・ライナー(Victory Liner)社の充実、パンパンガ州(Pampanga)-タルラック州(Tarlac)間のバイパスの整備に伴い、かなり快適になってきている。先日のマニラまでの旅では、夜間であったとはいえ、往路が通常便で5時間、復路がデラックス便で4時間ほどの、かなり時間の短縮された旅となった。

バギオからさらに各地に向かう旅も、道路事情、交通事情ともに、改善が進んでいる。私がよく行くのは、北にスィニプスィップ(Sinipsip)を経てベンゲット州バクン郡(Bakun, Benguet)、アバタン(Abatan)を経てベンゲット州マンカヤン郡(Mankayan, Benguet)、南イロコス州セルバンテス郡(Cervantes, Ilocos Sur)、東にヌエバ・ビスカヤ州カスィブ郡(Kasibu, Nueva Vizcaya)などだが、いずれもキリスト教の宣教師という特殊な職業ゆえの旅であって、一部の戦跡を除いて大した観光地もないこれらの地域に足を踏み入れるのは、さもなくば生物学や地学、文化人類学、言語学の研究者か大戦時の山下財宝ハンターくらいのものであろう。

この記事では、この北ルソンの道路・交通事情について、以下に少し、写真とともに、その今昔(といってもここ10年程度のものだが)をご紹介したい。写真は、サムネイルをクリックすると、1024×768ピクセルのサイズでご覧いただけます。

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バクン郡の北部路線のバス。新古車に近い、かなり質の良いもの。

 

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シートも良く、灰皿は私には喜ばしいものではないにせよ、網ポケットやドリンク受け、アームレストがあり、しかも、リクライニングシート。下手なビクトリーライナーよりよほど快適だ。

 

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バクン郡の南部路線のバス。ひどいカーブの続く路線だが、手すりやアームレストなどの自分を固定する設備がほぼ皆無で、快適さはかなり劣る。

 

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車内は所狭しと荷物が置かれている。右側の乗客が足を置いているのは、バギオ方面に出荷されるアラビカ種のコーヒー豆。米でもコーヒー豆でも、平気で足を置き、座り、その上を歩く。それでも、二人掛けというのは良心的で、ヌエバ・ビスカヤ州へ向かうバスでは、この幅で3人座らせられる。

 

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バクン郡の道は、このように一車線分だけながら舗装が進みつつある。コンクリート舗装なので、すぐに傷んで、割れたり、ぼろぼろになってくる。

 

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こちらはヌエバ・ビスカヤ路線の乗合バンの休憩所、ベンゲット州ボコッド郡グルレル(Gurrel, Bokod, Benguet)。トイレやレストランがあり、車が止まると、地元のおばちゃんたちがティノドット(tinodot)と呼ばれる餅米のおやつを売りに集まってくる。これが甘くておいしい。

 

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グルレルからさらにベンゲット州東北部のボコッド郡、ブギアス郡(Buguias)へと続く道(左)と、ヌエバ・ビスカヤ州のカヤパ郡(Kayapa)からアリタオ郡(Aritao)、バンバン郡(Bambang)へと抜ける道(右)。いずれも、きれいに舗装されたのはここ数年のこと。

 

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ベンゲット州とヌエバビスカヤ州の州境にあるモニュメント。フィリピンの夏の首都と呼ばれるバギオの向こうを張って、"Welcome to Kayapa: Summer Captal of Nueva Vizcaya"とあるのはフィリピン流のしゃれだ。

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ベンゲット州バクン郡の北部路線をかつて走っていたのはこのジプニー。一番上の写真のバスと比較してみて欲しい。屋根の上まで荷物を一杯に積んでいる。出発時に、無秩序の中の秩序、荷崩れしないようにきちんと積み上げてロープで縛るのはいいのだが、宅配便の配送センターでもあるまいし、人々が降りる順番までは考慮しきれない。いきおい、誰かが降りるとなると、あれでもない、これでもないと、荷物探しが始まる。男たちには立ち小便の絶好の機会だった。

 

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バクン郡の道はかつてはこのように荒々しいラフロードで、降りて乗客で押さなければならないこともしばしばだった。これが雨期になると、ジプニーが平気で滑り降りてくるような恐ろしい修羅場になる。

 

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こちらは、ベンゲット州マンカヤン郡-イロコスール州セルバンテス郡間の急斜面。押してもダメなら引いてみな、だ。

本来は、レパントダム(Lepanto Dam)というダムの湖があり、そこをかするように走るのがセルバンテス郡への幹線道路だった。このダム湖は、マンカヤン郡レパント町(Lepanto, Mankayan, Benguet)にあるレパント炭坑(Lepanto Mines)から出る排水で、それはそれは表面が銀光りするほどひどく汚染されているのだが、2001年の台風でそちらの道が封鎖されて以来、第2セルバンテス道路と呼ばれていたこちらの道がメインになっている。

この悪名高かりし斜面も数年前に舗装されて、これも今はもはや見られない光景となった。ありがたいのもやまやま、寂しいようなのもやまやま、北ルソンの山々の旅はこれからも続く。

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コメント

りけるけさん、はじめまして o(_ _)oペコッ

私の妻は、セルバンテス(aluling)の出身です
バギオからはいつもライジングサンのバスに乗っていますが、途中パンクすることもしばしばですね
バギオから約六時間揺られっぱなしは、正直つらいですが、大好きな場所です。
妻の兄の親戚がセルバンテスで雑貨屋をやっていますが、以前に名古屋で働いていたので、日本語が話せます。
買い物に行ったとき、日本語で話しかけられ、驚きました

投稿: なおき | 2008/12/15 11:57

なおき さん

ご来訪およびコメント、ありがとうございました。

ライジングサン、私も愛乗(と言うのか?)しています。アバタンまでが舗装されて、かなり楽にはなりましたよね。セルバンテスまでも5時間半弱です。今は乗合バンもありますよ。

セルバンテスは、四方の山々と広大な河岸段丘の盆地で、本当にきれいなところです。ご親戚のお店、のぞいてみたいところです。プラサの中の一軒でしょうか。

今後とも、よろしくお願いいたします。

投稿: LIKELUKE | 2008/12/16 15:27

初めまして、宜しくお願いします。マニラ⇔バギオの空の便は、無くなったと言うことですか?それとも不定期ながら、運航中なのでしょうか、教えて下さい。お陰様で、パサイ⇔バギオの旅行は、Dau経由で、楽しい旅行が、出来るようになりました。


投稿: 男衾 | 2009/01/08 22:01

男衾 さん

コメントありがとうございました。こちらこそよろしくお願いします。

マニラ-バギオの空の便は、不定期なものがあるかどうかは、まだそれほど買収から日が経ったわけではありませんので不明ですが、無くなったと考えてほぼ大丈夫だと思います。

こちらのサイトで、少しでもビクトリーなど、バスの旅が楽しめるようになっていただけたとすればありがたいことです。

ただ、ダウの手前からターラックのショッピングコンプレックスの脇まで乗りつけるバイパスが開通して、時間短縮になったのは良いのですが、トイレの都合が悪くなったのと、あの、土地柄的にどこか妖しい、でもって微妙に慌ただしく、かつあそこだけ2-3ペソでなく5ペソ取るあこぎなトイレ(確かに飛躍的にきれいにはなりましたけど)が見られなくなったのは残念ですね。従来通りダウに行くのもあるようで、行き先表示にそう書いてありますが。

引き続き、ご愛顧いただけましたら幸いです。またお越しください。

投稿: LIKELUKE | 2009/01/09 02:05

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