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2007/08/08

Fully Booked、Tokyocafe、その他 - Mall of Asia探訪

マニラに住み始めてはや2か月半、ようやく、アジアで最大の売場面積を誇るというSMモール・オブ・エイジア(SM Mall of Asia)に足を運び始めている。私のアパートからは、(直通もあるのかもしれないが)ジプニーを乗り継いで約20分。 リサール総合運動公園を大回りして歩いて行かなければならないハリソン・プラザ(Harrison Plaza) に行くのにやはり15分から20分かかることを思えば、あまり変わらない。ハリソン・ プラザまでの足は徒歩かサイドカーと呼ばれる人力トライシクルのみ。これが40ペソ(約108円)から取られることを考えれば、 ジプニーで乗り継いでも14ペソ(約38円)というのは安い。EDSAまでLRT1(電車)で行けば、 少し割高になるが時間もかなり短縮できる。

モール・オブ・エイジアは、確かに広く、何かと見て回るだけでもかなり時間がかかる。日用品などの買い物には、 運動不足の解消も兼ねてハリソン・プラザまで往復歩いて行くほうがいいのかもしれないが、モール・オブ・エイジアも、 運動不足の解消という意味ではやたら歩くことで同じだ。モール・オブ・エイジアの場合、テナントの種類が多く、質も(値段も)高いので、 ウィンドウショッピングが好きな方々、専門店の好きな方々には、いろいろと楽しみどころがあるだろう。

日本での大学院時代を、近隣の女子大の学生から生ゴミを見られる目で見られる大学で過ごした私は、 そもそもその理由だったのかその結果なのか、ブティックなどにはとんと興味がないのだが、専門書オタクの端くれとしてここのFully Bookedという書店には感銘を受けた。なにせ、何をどう、どこでどう間違ったか、 私がずっと探していた古典ギリシア語のアクセントの教科書が置いてあったのだ。このフィリピンに。 これはアマゾンなどで見てもずっと品切れになっていたものだが、アマゾンよりも少し安い値段で手に入れることができた。その他にも、 語学関係や大学の専門科目の教科書なども、なかなかオタク度の高い、良質なものが多く、非常に満足な買い物ができる。 こちらの大学院の科目で苦手としている統計学の教科書も、とても良いものを手に入れることができた。店員のおねいさんたちも、 非常に人なつっこく、好感が持てる。

モール・オブ・エイジアには、他にも良い書店が多い。Powerbooksもそうだし、ここではNational Bookstoreもそうだ。National Bookstoreは、多くの場合、ブックストアというのは名ばかり、 ただの文房具店に過ぎないものが多いが、ここのNational Bookstoreは、書籍の品揃えも (日本のレベルには到底及ばないにせよ)多く、そこそこ満足のできる買い物ができる。

書店の次には喰い処。ここのTokyocafeは私の一押し。日本のファミレスのコンセプトを持ち込んだような感じで、 複数の種類のハンバーグセットやエビフライセット、パスタなど、 どれもフィリピンにしては本物にかなり近いものを良心的な値段でおいしくいただける。パスタなど、 とろとろぬるぬるがデフォルトのフィリピン・スパゲティーとの差別化を図ってか、「当店のパスタはすべてアルデンテで茹でてあります」 などという断り書きがメニューにあるほど。デザートも、クレープ類やコーヒー、コーヒーゼリーなどに力が入っており、おやつ時、 歩き疲れての一休みにも利用できる。

なにより、この美しいホスピタリティーで名高いはずがカスタマーサービスとなると極端に劣悪なフィリピンにあって、ウエイター、 ウエイトレスたちに対する教育・訓練が非常に行き届いているのには頭が下がる。「イラシャイマセ~」「アリガトゴザイマ~ス」 の片言の日本語だけではない。メニューを持ってくる、注文を運ぶなど、テーブルを訪れるたびに、腰を折ってお辞儀をしてくれるのだ。 水が無くなればすぐに注ぎに来る。連れとの話題が途切れればすぐに雑誌を持ってくる。注文が決まって振り向けば、すぐに察して飛んで来る。 「気が利く」という言葉など誕生したことすらないと思われるこのマニラにあって、 あるいはそれこそ客を生ゴミを見る目でしか見ることのできない店員が大半のこのマニラにあって、 私にとっては実に感動に価するカスタマーサービスが味わえるのだ。しかも、 およそカスタマーサービスなど存在するとは思えない某ピザチェーンなどとは異なり、 ここまでのサービスが受けられながらも伝票に有無を言わせずサービスチャージが含まれることもない。

もちろん、このモール・オブ・エイジアにもあるイタリア料理店Italianiなどの、家族で一食2,000ペソ(約5,400円) からするクラスのレストランにでも行けば、それは当然のことだろう。しかし、このTokyocafeならその半額以下で済む。マネージャー (あるいはオーナー)は日本人の方らしい。店にもよく立っていらっしゃる。シャイな私はお話をしたことはないが、 比較的豊かな人々なのだろうか、フィリピン人客の姿も多い。良心的な価格で心のこもったサービスを提供すれば客は増える。 当たり前のことだが、この辺りにも、フィリピンで起業をしようと考える方々の踏み込みどころがあるのではないだろうか。

モール・オブ・エイジアには、エアースライダーやメリーゴーランド、アイススケートリンクなど、子ども向けのアトラクションもある。 私の5歳の娘も、ここがとても気に入ったようだ。日用品を扱うスーパーも、かえって足を踏み入れるのがためらわれるほど広い。 日本で行ったコストコ(Costoco)のような広さだ。ここまでMRT3が延びて電車で行けるようになればなお便利なのだが、Taft Avenue駅から5kmほどの延伸も、ジプニーの運転手を電車の運転士として再雇用するなどしない限り、 この国では数百年先のことになるだろう。いずれにせよ、テロを怖れて買い物袋さえ持ち込みを許さない今のマニラの鉄道システムでは、 本当の意味での庶民の足としての資格を得る日など、まだほど遠い。

などと、フィリピン社会が抱える様々な問題を外国人としていろいろと考えつつも、このモール・オブ・エイジアは、 少しずつ私のお気に入りになりつつある。アジア最大の売場面積といったキャッチーな存在としても、マニラ湾(実際には向かいのバターン半島) に沈む夕焼けの楽しめる場所としても、日本からのお客さんをご案内する場所として、適当な場所でもある。

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モール・オブ・エイジア正面ロゴ
正面のロゴ

SM正面ロゴ
SM(Hyper Mart)の正面ロゴ。上のモール・オブ・エイジアの
ロゴと1枚の写真に収めようとしたが、大きすぎて入らなかった。

Fullybooked正面
Fully Booked、正面

Tokyocafe正面
Tokyocafe、正面

エアースライダー
子どもたちのアトラクションの一つ、エアースライダー。
同じようなもので少しずつ違うものが3つほどある。

マニラ湾
裏手はすぐ、マニラ湾。マニラに住むまでは、
「簀巻きにされてマニラ湾に捨てられる」という
慣用句でしか知らなかった恐怖の海だが、
落ち着いてよく見てみると美しい。

 

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