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2006/05/30

フィリピン初? ゴミの分別

バギオから北へ向かう幹線道路は「ハルセマ・ハイウェイ」(Harsema Highway)と呼ばれる。南のラ・ ウニオン州ロザリオからうねうねとバギオまで登ってくるケノンロードが勇敢な日本人労働者たちの手によって100年ほど前に開かれたということを知った浅学な私は、 時として「ハルシマ」と聞こえるこの名称を、「春島?」「榛島?」と、これまた日本人が設計・建設した道路なのではと思い、安っぽい 「愛国心」を沸き立たせていたのだが、どうもそうではないらしい。その昔、旧日本軍の海軍戦闘機、戦艦類限定のプラモデル・ オタクだった私は、駆逐艦だったか巡洋艦だったかに「榛名」というのがあったことから、この共通の「榛」 をその名にいだくらしいこの道路に勝手な思い込みを抱いていたのだ。

既にこのブログでも何度も取り上げている別名「マッサージ・ロード」 のハルセマ・ハイウェイ、公費を工費に使った職権乱用的な選挙運動なのか、数年前の大統領選挙に前後して舗装が進み、 今ではほぼ完全に普通の道路となった。あちらこちらに「アロヨ大統領のおかげです」的な看板が立ち、もはやマッサージは廃業状態、 バギオから北へ80キロの交通の要所、ベンゲット州ブギアス郡アバタン町(Abatan, Buguias, Benguet)までも、 かつてより1時間短縮、3時間で行くことができる。いきおい、他の地域と同様、最近では乗合バンが無数に運行され、 かつての庶民の足であったバスの役割が衰退しつつある。

このバンとバスについては、また稿を改めることにするが、 今では読書さえ楽しめるようになったこの3時間の道のりは一度だけトイレ休憩を取る。バギオから見ると、バギオを後にして約2時間、 ベンゲット州アトック郡サヤガン町(Sayangan, Atok, Benguet)を越えた辺りのドライブイン的食堂がその場所である。 休憩と言っても、その実は文字通り、そそくさと用を済ますだけのもの、 トイレを提供してくれている食堂には何の経済効果ももたらさないように思われるもので、用を足して車に戻ってくると、 そこには既にいらだちを隠せない運転手が、しきりに地元のカンカナウイ語で「タコ、タコ!」("Let's go!"の意味)と呟いている。 どのバンも決まってこの食堂に止まるので、きっと裏ではマージンだの使用料だのあるはずなのだが (あるいは運転手組合の長が食堂の経営者と親戚とか)、せき立てられるような時間に誰も何も買おうとしないこの食堂で、 およそフィリピンらしからぬものを発見した。

ゴミの分別である。 トイレを汚すだけのバンの客に見向きもされないこの田舎のひなびた食堂が、およそ北ルソンの他の地域で目にすることのない、 先進的なゴミの分別を行なっているのである。いきおい、 ここの経営者は分別基準の恐ろしく細かく厳しい八王子市などに出稼ぎに行っていた経験を持つのでは、とまたまた勝手な思い込みに襲われる。 そういえば八王子には、この付近出身の友人が日本人に嫁いでいる。ここの経営者は彼女の親戚だったのか!? 妄想は尽きない。

しかし、気になるのは分別のその後である。集める側が複数のゴミ箱を用意し、 捨てる側が協力したとして、この地域にはそれを収集する自治体も無ければ業者も存在しない。 あるのはところどころにあるただの不法投棄場のみである。集めた側が同じところに捨てに行くならば分別の意味は完全に失われる。 謎と好奇心は深まるばかりである。

 

  bumbetsu
こぎれいに並べられた各種ゴミ箱。使われている専門用語からして、ただ者ではない。
(クリックすると拡大画像がポップアップします)

 

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