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2005/07/07

無料のアトラクション

北ルソンの山歩きの醍醐味、それは「ハンギング・ブリッジ」こと、吊り橋である。率直に言って「オー・マイ・グッドネス」な吊り橋を、いくつも越えて進んでいくことになる。フェンスで囲われ鉄板を渡してあるものは良いほうで、数本のワイヤーに支えられた木の板の橋になると、ちょうど両肩の脇にあるワイヤーを握りしめつつ、両脇に最高の眺望を楽しみつつ、すり足でそろりそろりと渡っていくことになる。もっとも、「最高の眺望」の意味するところは、「要は何もない」というわけで、眺望そのものが楽しめるまで、すなわちおのが身が何によっても保護されていないという現実に慣れるまでに少々の時間がかかる。また、鉄板を渡してある橋と言えども、そこはそれ、重量を減らすためにわざと穴をぼこぼこ空けてある鉄板を使っているため、木の板を渡してある橋とはまた違った「寒さ」がある。

ちょっと欲を出して橋の途中で写真を撮りたいなどと願うものなら、作業工程を注意深くシミュレーションしておく必要がある。体の姿勢とバランスの確保、カメラの取り出しとその安全の確保、アングルの決定、撮影、カメラの収納などなど、一つ一つを確実に行わなければならない。さもなくば、カメラを落とすか自分が落ちるか、少なくともカメラケースや帽子、かけ慣れないサングラスを谷底に空しく見送ることくらいは覚悟しておかなければならない。

このような吊り橋を、現地の人々は20-30キロの農作物を担いで渡る。しかも、多くの場合、それを頭に載せて手ぶらで渡る。およそ人生の挫折を味わったことのない無鉄砲な若者などは、このような吊り橋を走って渡る。足元は当然、彼らにとっては定番のスィニラス、そう、ビーチサンダルだ。

このように、日本の道路交通省の建築基準などからすれば危険きわまりないはずの吊り橋ではあるが、人が落ちて亡くなったといった話を聞くことはまずない。あっても、10年ほど前におばあさんが台風の暴風雨の中で渡ろうとして吹き飛ばされたことがあるといった、およそ現実離れしたような話ばかりだ。「先月、日本人が足を踏み外して、落ちて死んだ」などと言われないよう、今日も最新の注意を払いながら渡りたい。いろいろな面において現地の人々に近づきたいと願う私ではあるが、このような吊り橋をビーチサンダルで走って渡りたいなどとは、どこまで行っても望まないものだ。

hanging_bridge_001
長さ150m、高さ50mはあろうかという吊り橋。何度渡っても慣れることはない。
(クリックすると拡大画像(700×525ピクセル:328KB)がポップアップします)

hanging_bridge_002
強度十分に見える鉄板を渡したこのような橋も、こうも穴だらけではあまりありがたくはない。
(クリックすると拡大画像(700×525ピクセル:314KB)がポップアップします)

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