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2004/10/11

おもてなしに最適、タホン・スープ

フィリピンの道端ではよく、おばさんがバケツに入った貝(日本でいうムール貝、あるいは山陽地区でいう瀬戸貝のようなものにあたるだろうか)を売っている。手で水をすくってはかけながらという姿に、「なんとか痛まないようにもたせている」というメッセージをこちらが勝手に読み込んでしまうのだろうか、いかにも怪しげなその全体的な様子に、食中毒になるとひどいのではないだろうかと恐れつつ、5年近くになるフィリピン生活でも買うのを躊躇してきた。タホン(tahong)と呼ばれるこの貝が、実は非常に手軽で美味な食材であると知ったのは、この夏にヌエバ・ビスカヤ州(Nueva Vizcaya)の田舎町バンバン(Bambang)に8週間滞在する中で得た一番の収穫かもしれない。

こちらの人々は砂を吐かせた後、この貝をココナツミルクで煮る。そして、ご飯を盛ったさらにこの貝を取り、ざくざくっとほうばって食べる。好みに応じてソイ(soy:しょうゆ)やスィリ(sili:唐辛子(チリ))で味付けをする。

面白かったのは、身を取るのに、貝殻そのものの先でもって差し込むようにすることだ。これはフィリピン人からではなく、一緒に滞在していたフィジー人から教わったのだが、日本風の、貝殻の後ろを気長にガリガリこする、というあのハマグリ攻略法よりもストレートかつ簡単に身が取れるのだ。

さっそくバギオに帰って、妻に頼んでみた。最初はマニュアル通りココナツミルクで煮てみたが、やはり日本人は日本人、今では日本酒ベースの酒蒸し的なアプローチに落ち着いている。あのココナツミルクというのは、30代後半の日本人の口にはしつこ過ぎるのだ。

夫婦二人では1~2キロ、お客さんが来てもせいぜい4キロで、十分見栄えのある豪快なスープができてしまう。そう、身は味わってもこれはスープ、スープにこそ貝のエキス(亜鉛とか鉄分とか、いろいろ含まれているらしい)が出ているからだ。若干、塩分過多になりがちなのは気になるが、シャブシャブ用・すき焼き用牛肉も、タラバガニも手に入らないフィリピンのこと、この料理が、いわゆる「鍋を囲む」的なものとなってとても重宝している。ちなみに、身の張ったもので1キロ25ペソ(約50円)くらいのもので、エコノミーライフにももってこいだ。ただ、カニすきと同じく、みんな無口になってしまうのが、唯一の欠点といえばそれにあたる。


photos/tahong_001
調理前、今生最後のひとときを味わうタホンたち。
水に入っているのが、砂を吐かせるためなのか、ただ質を保つためなのかについては、
フィリピン人と私の妻とで理論的解釈が分かれる。
(クリックすると拡大画像(720×540ピクセル:62.5KB)がポップアップします)

photos/tahong_002
調理後、なかなかうまそうにできあがっている。
芸術性も何もないが、素材そのものの色合いの美しさによって
なんとか見られたものになっている、というのも庶民的で良い。
(クリックすると拡大画像(720×540ピクセル:88.7KB)がポップアップします)

photos/tahong_003
スープは、カップに入れて生唐辛子を浮かべていただくもよし、
ご飯の上からぶっかけをしていただくもよし。
暑い低地では、カエルの肉、犬の肉に続き、スタミナ効果満点だ。
(クリックすると拡大画像(720×540ピクセル:60.9KB)がポップアップします)

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