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2004/09/18

その名も「一番高い地点」

バギオ市のあるベンゲット州(Benguet)、その北のマウンテン・プロビンス州(Mountain Province)、さらに北のカリンガ・アパヤオ州(Kalinga-Apayao)にまたがる地勢は、コルディリエラ山地と呼ばれ、平均して1,500~2,500mはあるだろうか、山々の尾根が幾重にも重なり合って続いている。バギオ市とマウンテン・プロビンス州の州都ボントック(Bontoc)をつなぐ国道は、ハルセマ・ハイウェイ(Harsema Highway)と呼ばれ、ちょうどこのコルディリエラ山地を縦貫するように走っている。

アロヨ大統領の選挙運動を兼ねて国の歳費で行われていた大規模な道路整備事業のおかげで、最近でこそ道は徐々に整備されつつあるが、それでもこの「国道」は俗に「マサヒ・ロード」と呼ばれるほど状態が悪い。「マサヒ」(massage)とは「g」をハ行で読むスペイン語式発音によるもので、英語風に読めば、そう、「マッサージ」である。車に乗りながらにしてマッサージを受けているかのように感じられるほど、とにもかくにも道が悪く揺れるということを揶揄したネーミングなのだ。

このハルセマ・ハイウェイ、まさに「スカイライン」という和風な名称を与えてもいいほどの眺望である。道の悪さのゆえに、まるで荒れた気流の中を行く田舎のプロペラ機に揺られているような状態が続くという難はあるが、朝に昼に夕に、刻一刻と移ろう美しい風景が楽しめる。とりわけ乾期には、太陽と雲と山々が、どこまで行っても飽きさせない表情を繰り広げるのだ。

このハルセマ・ハイウェイにとっての自慢の一つが、「ハイエスト・ポイント」(Highest Point)である。「一番高い地点」という名前にひねりは何もないが、有無を言わせぬ説得力はあるように思う。もっとも国道が富士山の頂上のようなところを通るわけはなく、あくまでフィリピンの国道が走っている地点としては国内で最も高い場所という意味であり、地元の人々はここからさらに山道を登って農作業を行う。7,400フィートというから、手元の換算表によれば2,255.52mだ。旅人のオアシスであるトイレと、形だけの売店がある。

展望台もある。だが、これまでさんざ眺めの良い山道を来て、いまさら眺めを楽しむも何もない。路線バスは素通り、最近台頭の乗合バンも、客が用を足すか足さないかのうちにそそくさと出発する。唯一ある、いかにも手作りなコンクリートの看板に記念写真を撮るだけの価値があるかどうかが、個人の好みが分かれるところだ。ベンゲット州北部の交通の要であるアバタン(Abatan)へはあと1時間ちょっとだ。

photos/highest_point_001
前方の山の斜面と道路の交差しているところがハイエスト・ポイント。
なるほど、ここから見ても道が少しずつ登っていっているのがわかる。
(クリックすると拡大画像(800×600ピクセル:50.2KB)がポップアップします)

photos/highest_point_002
年中、落石に悩まされる近隣の「国道」。
ほとんど意味のないガードレールの反対側に転がり落ちている約300mの崖も、
ふと我に返るとこわい。
(クリックすると拡大画像(800×600ピクセル:61.3KB)がポップアップします)

photos/highest_point_003
これがそれ。わびしい売店。その後ろはやはり険しい崖があるのみだ。
一度、台風の時に泊まってみたいと思っているのだが、
無愛想な店番のおねいさんに声を掛ける勇気がまだない。
(クリックすると拡大画像(800×600ピクセル:114KB)がポップアップします)

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