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2004/09/03

バギオ生活を変えたSMバギオ

昨年11月、フィリピンの大手デパートチェーンであるシューマート(SM)による大ショッピングモールが、バギオの目抜き通りであるセッション・ロード(Session Road)近くにオープンした。400m×100mはあるだろうか、夜はさながらバギオ城と呼べるほどにライトアップされるこの新モールは、確実にバギオの人々の生活を変えつつある。

セッション・ロードは坂道になっているが、その最高部のサークルからさらに上に抜ける道、すなわち以前はビクトリー・ライナー(Victory Liners)など、一部の路線バスの抜け道に過ぎなかった道を最大限に利用する形でドライブインが作られており、トランコビル(Trancoville)循環のジプニーに乗れば、トランコビルからバギオ大聖堂を抜けてくるルートのものは正面に止まることになる。

このセッション・ロードからの道がそのまま坂道になっていることから、建物は下1階、上1階、2階、3階の変則的な4階建てとなっている。中央部は吹き抜けで、東西の両側をデッキとして広く取っていることから、かなりゆったりとした空間が演出されている。もっとも、バギオという町の名前が「台風」という意味であることを忘れていたのか、台風が襲うたびにこの開放的な構造が災いし、デッキ付近の店舗は常に水害対策に悩まされているようではある。

テナントは、下1階のSMスーパー、下1階から3階へと南サイドの一角を大きく占めるSMデパートを軸に飲食店から雑貨店、映画館まで幅広く揃っている。3階のゲームコーナーにはナムコやコナミといった日本直輸入のゲーム機が、翻訳さえされることなく所狭しと並び、ジャパン・ブランドを誇っている。ガラス張りのカラオケルームが密かに気恥ずかしい空間を醸し出しているが、カラオケがややもすると売春と結びついてしまうご当地フィリピンでは、大衆の目にさらされながらカラオケに興じることそのものが健全さの証明であることだけは確かだ。

この新モールがバギオ在住日本人の生活に大きな変化をもたらしたことは明らかだが、中でも下1階のSMスーパーの登場は、実に意義深いものであった。以前は、キューピーマヨネーズやシマヤだしの素など、いわゆる和風なグッズはバスで8時間のマニラまで行かなければ手に入らなかったのだが、それがいまや、ウスターソースからめんつゆ、インスタントラーメンからみりんまで、値段さえ気にしなければおおよそのベーシックアイテムが揃ってしまうまでになったのだ。後は納豆さえあれば、というところではあるが、SMには日本びいきのバイヤーがいるに違いないとはいえ、そこまで期待するのは既にかいかぶりの域に入ってしまっているのかもしれない。

これまで、韓国雑貨店のあまりの充実ぶりに、マイノリティーの日本人は指をくわえジェラシーの目を向けつつ、その若干テイストの違うおこぼれにあずかることしかできなかったのだが、これで日本人としての生活もなんとかそれなりのものになりつつあると無邪気に喜んでしまうのは、30代から海外生活を始めた者の融通のなさの吐露にほかならない。自称宣教師の卵も、このあたりがもう少し割り切れなければいつまでもひよこにはなれないのかもしれない。

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