カテゴリー「06 マニラ点景」の6件の記事

2009/09/14

男のこだわり

久しぶりにマニラに行った。早朝に着き、所用の時間までは余裕があった。いつものようにビクトリーライナーのクバオ・ターミナルで時間を潰していると、一人の男がバスの清掃を始めた。道具は、バケツ1個、ぞうきん1枚、モップ1本とシンプルなもの。いでたちもおなじみのバスケのユニフォームにビーチサンダルだ。

まずは、バケツの水を、醤油や魚醤の容器を再利用したようなプラスチックの容器を使ってバスにかけていく。ホースなど無い。ところが、これが見事なコントロールだ。水はバスの屋根の下の絶妙な高さにピンポイントで当たり、側面を流れながら濡らしていく。それを、モップを器用に使い、上から磨き降りてくるのだ。

手の届く低い部分はぞうきんで丹念に磨く。大きなバスが瞬く間にぴかぴかになっていく。最初は車掌さんの仕事の一つなのかと気の毒に思っていたが、バギオに帰る夜のターミナルでも、同じお兄さんが別のバスを磨いていた。かくして、一台いくらということで、勤めを終えて次々と帰ってくるバスを磨いていくのだろうか。

フィリピンではプロ意識の無さが嘆かれることが多い。それは事実だ。しかし、このような、体を張ったプロの仕事を見せてもらったのは、寝ぼけまなこで時間を潰す旅の大きな収穫となった。

 

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最後の最後まで磨き上げる。どこまでも、手で。

 

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逆行なのにここまで鏡のようなつやが出せるのは、
真新しいバスとはいえ職人技だ。

 

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2008/12/17

一か月ぶりのマニラ

所用で一か月ぶりにマニラに行くことになった。前回の記事でも触れているように、タルラック州からパンパンガ州へと抜けるバイパスが開通したことで、バギオ-マニラ間は大幅に時間短縮され、夜間であれば、ビクトリーライナーの通常便なら5時間、デラックス便ならば4時間ほどになった。

なまじ時間短縮となったことでかえって不便になったのが出発時間と到着時間の調整だ。以前ならば夜中の12時頃の便に乗ればちょうど朝の6時頃に着くという案配で、うまく眠っている間にマニラに着くという形だったのだが、いまや、深夜12時の便に乗ろうものなら早朝5時、下手をすると4時半にでも着きかねず、時間つぶしに苦労する。

幸い、バギオのビクトリーライナー長距離便ターミナルが数年前に移転、屋内の2階スペースが広く、テーブルとベンチの多いスペースになっているので、日本語も使わせてもらえるSMバギオのネットカフェSTATION 168で10時半まで(営業は24時間ということ)、スタバで12時まで時間をつぶし、そこから2時半のバスの時間まではビクトリーのターミナルに移動して、しばしベンチで仮眠をして過ごす。

2時半のバスでも、クバオに着くと8時だ。ターミナル横の大衆食堂で朝食を摂る。フィリピンの料理はどれも、どこで食べても本当においしいのでありがたい。今回はここから30分ほど歩き、目的地までたどり着く。そこでアメリカからの家族を迎え、バギオからやって来るチャーターしたバンでバギオに帰るのだ。

本来は、自然な流れとして、このバンでバギオから来て、バギオに帰るつもりだったのだが、このバンの会社というか、ドライバーとの調整が難航した。携帯メールでやり取りしているのに、英語がまともに通じないのだ。イロカノ語に変えても通じず、タガログ語でなければだめだったようで、そんなやり取りに消耗した私は、ドライバーと二人きりで気を遣いながら旅をするくらいならバスの一人旅のほうがはるかに気楽だと、往路はバスにした次第だ。

プロらしからず道に迷い、1時間遅れでやって来たドライバーは、それでも、前日、調整に難航した人々とは違ったようで、なんとか英語でのコミュニケーションを取ることはできた。しかし、政府のタガログ語政策の結果、確実に英語が通じにくくなっているという状況は、マニラ近郊だけでなく、はるかバギオにまで拡大しつつあるようだ。ますますもって、イロカノ語だけでなくタガログ語も学ばなければ、日常生活にまで不愉快なストレスがもたらされてくる予感がする。

腰を据えて現地語を学ぶのでなければ、フィリピンは確実に住みにくくなってきている。あるいは、英語でコミュニケーションが取れる、少なくともイロカノ語とタガログ語に堪能な現地の秘書的スタッフないしお手伝いさんないし親しい友人がいなければ、バギオの生活は徐々に難しいものとなってくるだろう。フィリピンの英語伝説は静かに崩壊しつつある。

 

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クバオのビクトリー・ターミナルのすぐ近くにある、
その名もニューヨーク・アベニュー。

 

008
今回の目的地のすぐ近くにあったきれいなカトリック教会。
中では土曜日にかかわらずミサが行われており、かわいい子供たちの
歌声が聖堂に響いていた。

 

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教会ネタということで、こちらはヌエバ・ビスカヤ州の
山村のプロテスタント教会。カトリック教会のような建築上の趣は、
正直言って、無い。

 

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中身もこのように殺風景なもの。しかし、この教会に集う
人々にも、命は豊かにあふれている。

 

  

 

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2008/09/21

My Manila Memoir

「Floody Manila」に多くの方々のご訪問をいただき、ありがとうございました。

国に帰ってしまった友人のことを寂しく思っていると、急に去年の3か月のマニラでの日々のことが懐かしく思えてきました。

そこで、今回は、その3か月滞在していたアパートの窓からの景色を、デ・ラ・サール大学やマニラ湾などを中心に50枚近く、一つのアルバムにまとめてみました。ちょっと枚数が多くて恐縮ですが、細切れの時間に少しずつ、あるいはお時間のある時にまとめてご覧いただけましたら幸いです。アルバム名は「My Manila Memoir」。右手のサイドバーからアクセスすることもできますが、こちらからもご覧いただくことができます。

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2008/09/09

Floody Manila

いつもご足労(指労?)いただきありがとうございます。

しばらく間が空きましたが、結局、アルバムからの写真をろくにご紹介することができないままに帰比、少しずつ北ルソンでの日々を取り戻しつつあるところです。

今回、所用でマニラに行くことがあったのですが、そこで、マニラの方々には十分おなじみの「洪水」に遭遇しました。私にとってはなかなかにショッキングなことでしたので、撮った写真をアルバムにまとめてみました。「Floody Manila」というアルバムは、右手のサイドバーからアクセスすることもできますが、こちらからもご覧いただくことができます。

今後とも、当ブログをよろしくお願い申し上げます。

 

 

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2007/08/08

Fully Booked、Tokyocafe、その他 - Mall of Asia探訪

マニラに住み始めてはや2か月半、ようやく、アジアで最大の売場面積を誇るというSMモール・オブ・エイジア(SM Mall of Asia)に足を運び始めている。私のアパートからは、(直通もあるのかもしれないが)ジプニーを乗り継いで約20分。 リサール総合運動公園を大回りして歩いて行かなければならないハリソン・プラザ(Harrison Plaza) に行くのにやはり15分から20分かかることを思えば、あまり変わらない。ハリソン・ プラザまでの足は徒歩かサイドカーと呼ばれる人力トライシクルのみ。これが40ペソ(約108円)から取られることを考えれば、 ジプニーで乗り継いでも14ペソ(約38円)というのは安い。EDSAまでLRT1(電車)で行けば、 少し割高になるが時間もかなり短縮できる。

モール・オブ・エイジアは、確かに広く、何かと見て回るだけでもかなり時間がかかる。日用品などの買い物には、 運動不足の解消も兼ねてハリソン・プラザまで往復歩いて行くほうがいいのかもしれないが、モール・オブ・エイジアも、 運動不足の解消という意味ではやたら歩くことで同じだ。モール・オブ・エイジアの場合、テナントの種類が多く、質も(値段も)高いので、 ウィンドウショッピングが好きな方々、専門店の好きな方々には、いろいろと楽しみどころがあるだろう。

日本での大学院時代を、近隣の女子大の学生から生ゴミを見られる目で見られる大学で過ごした私は、 そもそもその理由だったのかその結果なのか、ブティックなどにはとんと興味がないのだが、専門書オタクの端くれとしてここのFully Bookedという書店には感銘を受けた。なにせ、何をどう、どこでどう間違ったか、 私がずっと探していた古典ギリシア語のアクセントの教科書が置いてあったのだ。このフィリピンに。 これはアマゾンなどで見てもずっと品切れになっていたものだが、アマゾンよりも少し安い値段で手に入れることができた。その他にも、 語学関係や大学の専門科目の教科書なども、なかなかオタク度の高い、良質なものが多く、非常に満足な買い物ができる。 こちらの大学院の科目で苦手としている統計学の教科書も、とても良いものを手に入れることができた。店員のおねいさんたちも、 非常に人なつっこく、好感が持てる。

モール・オブ・エイジアには、他にも良い書店が多い。Powerbooksもそうだし、ここではNational Bookstoreもそうだ。National Bookstoreは、多くの場合、ブックストアというのは名ばかり、 ただの文房具店に過ぎないものが多いが、ここのNational Bookstoreは、書籍の品揃えも (日本のレベルには到底及ばないにせよ)多く、そこそこ満足のできる買い物ができる。

書店の次には喰い処。ここのTokyocafeは私の一押し。日本のファミレスのコンセプトを持ち込んだような感じで、 複数の種類のハンバーグセットやエビフライセット、パスタなど、 どれもフィリピンにしては本物にかなり近いものを良心的な値段でおいしくいただける。パスタなど、 とろとろぬるぬるがデフォルトのフィリピン・スパゲティーとの差別化を図ってか、「当店のパスタはすべてアルデンテで茹でてあります」 などという断り書きがメニューにあるほど。デザートも、クレープ類やコーヒー、コーヒーゼリーなどに力が入っており、おやつ時、 歩き疲れての一休みにも利用できる。

なにより、この美しいホスピタリティーで名高いはずがカスタマーサービスとなると極端に劣悪なフィリピンにあって、ウエイター、 ウエイトレスたちに対する教育・訓練が非常に行き届いているのには頭が下がる。「イラシャイマセ~」「アリガトゴザイマ~ス」 の片言の日本語だけではない。メニューを持ってくる、注文を運ぶなど、テーブルを訪れるたびに、腰を折ってお辞儀をしてくれるのだ。 水が無くなればすぐに注ぎに来る。連れとの話題が途切れればすぐに雑誌を持ってくる。注文が決まって振り向けば、すぐに察して飛んで来る。 「気が利く」という言葉など誕生したことすらないと思われるこのマニラにあって、 あるいはそれこそ客を生ゴミを見る目でしか見ることのできない店員が大半のこのマニラにあって、 私にとっては実に感動に価するカスタマーサービスが味わえるのだ。しかも、 およそカスタマーサービスなど存在するとは思えない某ピザチェーンなどとは異なり、 ここまでのサービスが受けられながらも伝票に有無を言わせずサービスチャージが含まれることもない。

もちろん、このモール・オブ・エイジアにもあるイタリア料理店Italianiなどの、家族で一食2,000ペソ(約5,400円) からするクラスのレストランにでも行けば、それは当然のことだろう。しかし、このTokyocafeならその半額以下で済む。マネージャー (あるいはオーナー)は日本人の方らしい。店にもよく立っていらっしゃる。シャイな私はお話をしたことはないが、 比較的豊かな人々なのだろうか、フィリピン人客の姿も多い。良心的な価格で心のこもったサービスを提供すれば客は増える。 当たり前のことだが、この辺りにも、フィリピンで起業をしようと考える方々の踏み込みどころがあるのではないだろうか。

モール・オブ・エイジアには、エアースライダーやメリーゴーランド、アイススケートリンクなど、子ども向けのアトラクションもある。 私の5歳の娘も、ここがとても気に入ったようだ。日用品を扱うスーパーも、かえって足を踏み入れるのがためらわれるほど広い。 日本で行ったコストコ(Costoco)のような広さだ。ここまでMRT3が延びて電車で行けるようになればなお便利なのだが、Taft Avenue駅から5kmほどの延伸も、ジプニーの運転手を電車の運転士として再雇用するなどしない限り、 この国では数百年先のことになるだろう。いずれにせよ、テロを怖れて買い物袋さえ持ち込みを許さない今のマニラの鉄道システムでは、 本当の意味での庶民の足としての資格を得る日など、まだほど遠い。

などと、フィリピン社会が抱える様々な問題を外国人としていろいろと考えつつも、このモール・オブ・エイジアは、 少しずつ私のお気に入りになりつつある。アジア最大の売場面積といったキャッチーな存在としても、マニラ湾(実際には向かいのバターン半島) に沈む夕焼けの楽しめる場所としても、日本からのお客さんをご案内する場所として、適当な場所でもある。

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モール・オブ・エイジア正面ロゴ
正面のロゴ

SM正面ロゴ
SM(Hyper Mart)の正面ロゴ。上のモール・オブ・エイジアの
ロゴと1枚の写真に収めようとしたが、大きすぎて入らなかった。

Fullybooked正面
Fully Booked、正面

Tokyocafe正面
Tokyocafe、正面

エアースライダー
子どもたちのアトラクションの一つ、エアースライダー。
同じようなもので少しずつ違うものが3つほどある。

マニラ湾
裏手はすぐ、マニラ湾。マニラに住むまでは、
「簀巻きにされてマニラ湾に捨てられる」という
慣用句でしか知らなかった恐怖の海だが、
落ち着いてよく見てみると美しい。

 

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2007/06/29

芋の子を洗うように生き馬の目を抜く?

マニラに単身住み着いて1か月が経った。限られた予算の中での研修生活であるため、自炊(炊飯器とトースターだけ)、 洗濯も自分で手洗い、クーラーは基本的に使わず、で、食費は一日200ペソ以内、 家賃抜き光熱費他込みで一日500ペソ以内を目指してせこくせこくやっている。ようやく落ち着いてきた感がある。いずれにせよ、 週に一度はバギオないし北ルソンに帰りたいと思ってはいるが、マニラでの滞在時間が長くなるにつれ、このブログも「りけるけのマニラだより」 に落ちぶれてしまう危険性がある。自戒したいところではある。

前回に続いて、バスの話題を一つ。昨今のマニラとりわけEDSAの交通渋滞の緩和の大きな原因に、マニラ首都圏開発公社(MMDA: Metro Manila Development Agency)とでも呼べばいいのだろうか、 これによる車両別のレーン分けの徹底と公共交通機関の乗車区域、降車区域の指定が指摘される。なるほど、 これがまだ行き届いていない私のアパートの近所(タフト通り)などは、今なおひどい渋滞に悩まされ、 それがぼったくりタクシーの都合の良い口実となっている。

専用レーンに押し込められたバスたちは、これまで以上の熾烈な戦いを強いられている。「芋の子を洗うがごとく生き馬の目を抜く」 とでも描写できそうなほどの過酷な戦いがそこにはある。運転マナーの悪さで評判の芳しくないバスたち ― 先日もEDSAで強盗事件があり、 逃げようとした運転手と乗客2名が射殺されたと報道されていたが ― ではあるが、どこまでも10ペソ、 20ペソという良心的な金額で行ってくれるこのバスたち(しかも多くはジプニーとは違ってエアコンつき)、 手荷物持ち込みにやたらうるさい気取ったMRTやLRTとは違い、何事も「OKラン!」なバスたちは、北ルソンの山々を下りた今も、 私の親しい友人であることに変わりはない。イロコスール州セルバンテス行きの家畜運搬車のようなバスを懐かしく思うマニラの日々である。

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戦うバスたち (1) 
MRTのクバオ駅前での戦い。一人でも多くの乗客を求めて
一番奥に止まってしまった黄色い屋根のバスにご注目。

戦うバスたち (2) 
後ろからどんどんと他のバスたちがやって来て……。

戦うバスたち (3) 
ついには完全幽閉状態。うっかり欲を出してしまった黄色の
バスも気の毒ながら、うっかり乗り込んでしまった乗客も気の毒。
これでエアコンが無ければたまらない。バス好きの私も、
しかし、これを見てからは、電車で行けるところは電車で行こう
という決意を新たにした。

D' Rising Sun
バギオ発セルバンテス行きと言えば、これ。D' Rising Sun
(ダ・ライズィング・サン)社。とてもじゃないけど座れない
固くて狭いイスに3人掛けで、乾期はほこり、雨期は泥道の
悪路セルバンテスロードを爆走していく。

 

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