しばらく前に流行った本に『話を聞かない男、地図の読めない女』というものがあった。私は、なるほどヨメの話は聞かないうえに地図オタクときた。新しい土地に行くと地図を買わなければ落ち着かない。去年の2月に仕事で1週間ほど台湾に行った際も、台北と台湾全島の地図をそれぞれ買ってきて、今でも時折、取り出してみてはいろいろと夢想している。
そんな私にとって、フィリピンでこれまで大いに不満だったのが、一部の都市のもの以外、ろくな地図が無いということだった。知り合いのJICA関連の方が大きな精密地図をお持ちで、SMバギオの近くの店で手に入ると伺っていたのだが、フィリピンで新しい店に足を踏み入れるというのが億劫で(また、愛想の無い店員とかだとヤだし)そのままになっていた。
しかし、ありがたや、きょうび、Google Mapsはもちろんのこと、Google Earthを利用すれば、そのものずばり、航空写真でもって、世界中のどこでも見ることができる。地形の起伏まで表示してもらえるのが素晴らしい。私の場合、仕事で訪問するのが道無き道を行く山奥が多いので、こういうツールで山や谷の形をよく学ぶというのが仕込みのうちになるのだ。おまけに標高も誤差こそあろうが表示されるのでとても参考になる。
例えば、フィリピンの国道が最も標高の高い場所を走る場所とされているハイエスト・ポイント。設置されている看板によれば7,400フィートというから約2,250m。コルディリエラ山地の数少ない観光スポットの一つだが、以前から、ここを過ぎても微妙な上り坂が続いているのが気になっていた。
調べてみると、やはりハイエストポイント(Google Earthの標高表示では2,284m)からもしばらく登りが続いており、サヤガンの中心街に向けて2番目の左カーブ辺りが実は一番高く2,345mほどある。実にハイエストポイントからさらに60mも登っていることになるが、下の図のように、渓谷の斜面が急で、しかも尾根がせり出す形になっている現状のハイエストポイントのほうが、展望台を設置するには地形的に優れていることになる。60mに目をつぶってでも、観光資源的に、フィリピン政府は正しい選択をしているということになるのだ。
コンピューターに若干のパワーは必要とされるが、皆さんもフィリピンのお気に入りの場所や建物をマークし、上空から低空から、ぐるぐる周りながら、ふだんの観光とは違った「天」景を楽しんでみてはいかがだろうか。

バギオ近辺のランドマーク。標高1,500mというのが
実感できる眺めだ。

私が昨年3月に訪問したベンゲット州バクン郡の村々。
右上の村から山を下り、左上の村まで登った。

ハイエスト・ポイントと、本当の「ハイエスト・ポイント」

しかし、これを見れば、現行のハイエスト・ポイントのほうが、
斜面の傾斜角や渓谷の眺めに優れていることがわかるだろう。



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