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2010年5月27日 (木)

動詞で学ぼう (3):"ikuyog"

さて、語幹"kuyog"から作られる動詞として次に学ぶものは、接頭辞"i-"によって作られる"ikuyog"(連れて行く)があります。

この"i-"動詞は、主題焦点動詞と呼ばれるものですが、他動詞として、文中要素のパターンとしては"kuyogen"と同じもの(動作主:名詞―中心格/代名詞表現―能格、対象:名詞―中心格/代名詞表現―絶対格)となります。したがって、例文としては次のようになります。

Ikuyog ni Juan ni Maria.(フアンはマリアを連れて行く<名-名>)

Ikuyog ni Juan dagiti aso.(フアンは犬たちを一緒に行く<名-名>)

Ikuyog ti aso ti pusa.(犬は猫を連れて行く:名-名)

Ikuyog dagiti aso da Maria.(犬たちはマリアたちを連れて行く<名-名>)

Ikuyogko da Juan.(私はフアンたちを連れて行く<代-名>)

Ikuyogmi ti aso.(私たち(排除)は犬を連れて行く<代-名>)

Ikuyognatayo ni Maria.(マリアは私たち(包括)を連れて行く<名-代>)

Ikuyogdakayo dagiti aso.(犬たちは君たち・あなたたち・あなたを連れて行く<名-代>)

Ikuyognakami.(君/彼・彼女・それは私たち(排除)を連れて行く<代-代>)

Ikuyogmo ida.(君は彼らを連れて行く<代-代>)

 

"kuyogen"では、語尾の"-n"が"-k/-m"に置き換わり、少し複雑な様相を呈していましたが、"ikuyog"の場合はそれがなく、すっきりとしたものとなっています。

それでは、同じく他動詞である"kuyogen"と"ikuyog"は、意味がどう違うのでしょうか。具体的なことは、それぞれの語幹の意味的な特徴によるバリエーションもあり、多くの例文を比較しなければわかりませんが、一般的な傾向としては、-en動詞のほうが、その動作によって対象に及ぼされる影響が強いということが言えます。そのため、あくまでも傾向としては、"kuyogen"のほうが、誘って連れて行く、無理に連れて行く、的なニュアンスの強いということは言えるかもしれません。対して、"ikuyog"のほうは、主題("kuyogen"での対象に相当)のほうも、自ら進んで一緒に行きたいという意志があるといったニュアンスが存在するということも、言えるかもしれません。

なお、ここまでは、話を単純にするために"kuyogen"の意味としては「連れて行く」を当てていましたが、サイドバーでご紹介しているRubinoのIDG(2000)では、「同伴/随伴する」「エスコートする」などの意味も与えられています(p.304)。

さて、"ikuyog"については、同じくIDGでは、次のような例文が挙げられています(同ページ)。

No adda papananna, ikuyognak latta.

(彼は、どこかに行く際には、いつも私を連れて行く)
(直訳:もしも彼・彼女・それに行く場所があれば、彼・彼女・それはいつも私を連れて行く)

no:もし、~するとき
adda:ある
papananna:彼・彼女・それの行く場所
ikuyognak:君/彼・彼女・それが私を連れて行く
latta:いつも、ちょっと、習慣的に

 

この例文では、"kuyogen"ではなく"ikuyog"が使われていることから、少なくとも、自分もついて行ってもかまわないと思っているというニュアンスが含まれていると言えます。

 

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