カテゴリー「02b-02 学習メモ:"Bannawag":"Ibasaam ti Anakmo(読み聞かせをしよう)"」の2件の記事

2009年9月30日 (水)

Ibasaam ti Anakmo Sakbay a Maturog(子供の寝る前に読み聞かせを)(2)

今回は記事のタイトルを見てみる。

Ibasaam ti Anakmo Sakbay a Maturog

試訳:子供の寝る前に読み聞かせを

(直訳:(君の子供が)寝る前に、君の子供のために読んでやりなさい)

【語義・語形成(Rubino(2000)を参照:括弧内は参照ページ)】

ibasaam /iba'saam/ <V>:(君が)~のために読んでやりなさい(< ibasaan + -m)

ibasaan /iba'saan/ <V>:~に読んでやる(basa + i- -an)

-m /m/ <Encl.>:君が、君の<2人称単数能格:母音の後、接辞"-an"、"-en"の"n"に替わって現れる:子音の後では"-mo">(p.346)

i- -an /i- -an/ <Affix>:<誰かのための受益的行為を表す動詞を形成する>(p.213)

ti /ti/ <Art>:<中心格単数一般名詞>(p.614)

anakmo /a'nakmo/ <N>:君の子供(anak + -mo)

anak /a'nak/ <N>:子孫、子供、息子、娘、興味を惹くこと(p.38)

-mo /mo/ <Encl.>:君が、君の<2人称単数能格:子音の後に現れる>(p.369)

sakbay /sak'bai/ <Conj / Prep>:~する/~の前に(p.518)(前者の場合は"sakbay a + 節"、後者の場合は"sakbay iti + 名詞")

a /a/ <L>:<文の様々な統語的要素を結び合わせる>(p.3)

maturog /ma'turog/ <V>:寝る(turog + ma-)(p.633)

turog /'turog/ <N>:眠り(p.633)

ma- /ma/ <Affix>:<能力、非意図的、偶然のできごと、受動的可能性、偶発的性質の行為を表す動詞を作る>(p.346)

 

ibasaam ti anakmo

上の「語義・語構成」からもわかるように、"ibasaam"は"*basa(中心的な意味を担う語根)+ i- an(受益動詞化接辞)+ -m(主語)"という語構成になっている。動詞が"ibasaan"なので、2人称単数主語のこの場合、"ibasaanmo"とならず、"-an"の"n"に置き換わる形で"ibasaam"となることに注意。

接辞"i- -an"は焦点に<受益者>を取るので、中心格"ti"で標示・焦点化されている名詞"anakmo"が<受益者>。「君は君の子供のために読みなさい」が直訳となる。

sakbay a maturog

"sakbay"は、この場合、リンカー"a"に導かれ、動詞"maturog"という1語だけの節を取っている。節というのは、「主語+述語」(どちらかが省略されたり、非明示的であることもある)からなる最小限の単位で、一般には「文」と呼ばれもするが、このブログでは、「文」とはあくまでピリオドで締めくくられるもの全体を定義として持っているので、一般にはあまり聞かれないかもしれない「節」という用語を用いている。

この例の場合、動作主焦点動詞"maturog"は、文字通り、<動作主>が焦点なので、何もないとすれば、それは<動作主>が3人称単数であることを意味する。したがって、この例の場合、"maturog"の主語は"anakmo"になり、「君の子供が寝る前に」となる。

 

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2009年9月29日 (火)

Ibasaam ti Anakmo Sakbay a Maturog(子供の寝る前に読み聞かせを)(1)

フィリピンで発行されているイロカノ語雑誌Bannawag(あけぼの)は、ここ数年、紙質が良くなるだけでなく、誌面も充実してきている。その1つが、Elizabeth M. Raquel氏による"Tips: Tarabay iti Pagtaengan, Sulun-at, ken Dadduma Pay"だ。半面に3つほど、暮らしに役立つ一口情報が掲載されている。

メディアによる情報過多の日本とは対照的に、フィリピンではこの手の情報は口コミで伝わる。そのため、往々にして各自の誤解や勝手な追加が加わり、情報の質としては、信憑性の怪しいものとなってしまいがちだ。例えばかつてのみのもんた氏や堺正章氏などが、最先端のプレゼンテクニックを用いて伝え、その日のスーパーでは取り上げられたものの売り切れが相次ぐという状況が日本ならではのものなのは、ここで取り立てて指摘するまでもないだろう。

今回取り上げたいのは、日本ではもはや知識が定着した感のある、いわゆる「読み聞かせ」についての記事だ。18行3-4文だけの短文だが、さてどんな内容が語られているだろうか。今日はコラムのタイトルを見てみよう。

TIPS: Tarabay iti Pagtaengan, Salun-at, ken Dadduma Pay: Inurnong ni Elizabeth M. Raquel

試訳:豆知識:住まい、健康、その他のための手引き:エリザベス・M・ラケル(編)

(直訳:秘訣:住まい、健康、その他における手引き:エリザベス・M・ラケルが集めた)

【語義・語形成(Rubino(2000)を参照:括弧内は参照ページ)】

tips /tips/ <N>:秘訣、お得情報(英語から)

tarabay /ta'rabai/ <N>:手引き、助け、チューター、後見人(p.603)

pagtaengan /pagta'engan/ <N>:住居/<V>:引き留める、慎む(p.586)(< taengan + pag- -an)

taeng /ta'eng/ <N>:住居、住んでいる場所、年齢、成熟度(pagyanan, naed)(p.586)

pag- -an /pag- -an/ <Affix>:<行為が行われる場所を表す場所名詞を形成する>(p.411)

salun-at /sa'lun-at/ <N>:健康(pia)(p.527)

ken /ken/ <Conj>(接続詞):(A)と(B)(p.269)

dadduma /da'duma/ <N>:いくつかのもの、他のもの(p.143)

pay /pai/ <Adv>:さらに(p.451)

inurnong /inur'nong/ <V>:集めた、収集した、群集した(< urnongen + -in-)

urnongen /ur'nongen/ <V>:集める、収集する、群集する(< urunong + -en)(p.403)

-in- /in/ <Aff>:<"-en"動詞、"-an"動詞の完了形を形成する。語根の最初の母音の前に付接する。前者の場合、"-en"は脱落、後者の場合、"-an"は存続する>(p.213)

urunong /ur'nong/ <N>:貯めたもの、集めたもの(p.403)

-en /en/ <Affix>:<対象焦点動詞を形成する>(p.183)

ni /ni/ <Art>:<中心格単数人名詞>(p.380)

 

pagtaengan

タホのレシピの文章の中にも出てきた「住まい」。「家」は"balay"などの単語もあるが、"pagtaengan"は「住まい」を表す一般的な語。

dadduma

"*duma"は「異なる」という意味の語根。"agduma"は、動詞としての「異なる」、"agduduma"は、「様々な、いくつかの、異なる」の意味の形容詞、"maiduma"も、「異なる」という意味の形容詞。畳語形の"maidumduma"は、協調的な「目立つ、独特の、区別できる」の意味の形容詞。"nadumaduma"も「異なる」の意味の形容詞。対象焦点動詞"idumduma"は「~を好む、優れる」の意味。このように、語根にいろいろな接辞がついていろいろな品詞になり、いろいろな意味を表すのが、イロカノ語の基本的語構成。

inurnong

接辞"-in-"が語根"urnong"に付接している。このような場合、語尾に"-an"があるか(あれば、方向焦点動詞、なければ"i-"ないし"-en"対象焦点動詞")どうかが一つの目安になる。

"i-"動詞の場合は、語頭の"i-"が"in-"になる(例:"ited"(与える)→"inted"(与えた))だけだが、"an"動詞、"-en"動詞の場合は、語幹が子音で始まる場合、"-in-"は最初の母音の前に割って入ることになる(例:"suratan"(~に書く)→"sinuratan"(~に書いた)、"suraten"(~を書く)→"sinurat__"(~を書いた))。

inurnong ni Elizabeth M. Raquel

"-en"対象焦点動詞は、その名の通り、意味論的には<対象>を焦点とする動詞で、その<対象>にあたる名詞を中心格(ti/dagiti(もの)、ni/da(人))で標示する。

一方、<動作主>を標示する方法は、名詞(人名を含む)ならば同じく中心格、代名詞ならば能格(ergative case:"-ko"類)。ここでは人名なので、"ni"によって中心格標示。

 

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